思えば、昨夏のディープ
なベトナム出張から帰国後今日まで、たった一度しか大好きなベトナム料理を食べていなかったとは……。その半年分を取り戻すかのような勢いで、今日、たった二時間ほどで……
食べた
、食べた〜〜
つい先ほどまで、尊敬する女性経営者のひとり、Mお姉様の呼びかけで、世田谷にある
サイゴンでお食事会
出かけに、留守番してもらう子供たちのためにと作った
カレーを、味見と称して一皿食べてきたにも関わらず(お食事会前に普通は食べていくか
)、ここでもいきなり
カレーナンがまた美味しい!ベトナムのビール
333(バーバーバー)を頼んで、さも
通なふりしていましたが、実は、ベトナムのガイドブックを足掛け10年作っていながら、二度しか現地を訪れたことがありません
と、白状しちゃいました
しかしその
ベトナム。
私の人生を変えた旅でした。旅行作家になりたい!といいながら、短大卒のOLから突然フリーライターに転身して、先生の鞄持ち、週刊誌のデータマン、新橋駅でアンケート取り、「なんでもやります!」と「旅」とは無縁の仕事でも依頼があれば全力でこなして3年目。当時
若い!?(26歳くらい)というだけで起用された「旅の読者モデル」という役がつき、ようやく1本旅コラムを書かせてもらうチャンスを得て、そのコラムをきっかけに、旅行雑誌の特集を任されたのが
「ベトナム縦断列車の旅」
航空券とわずかな取材費を渡され、「とにかく、ハノイからホーチミンまで列車
に乗って10日間で帰ってきて!」というものだった。
ハノイに降り立ち、まずはフォーを駆けつけ二杯!ハノイからサパに向かう列車がすぐに発車するということでサパがどこかもわからずに飛び乗った。ベトナムの位置関係をご存知の方ならおわかりかと思いますが、ゴールであるホーチミンとはまるで反対方向。片道10時間+ローカルバス(要するに荷物も何もかもごったに詰め込み状態のバス)で行くわけです。一杯60円だからって、美味しいからといって、いきなり二杯もフォーを勢いよく食べ反対方向の列車に乗ろうと言い出すもんだからそのときペアを組まされた旅慣れた男性
は唖然
としていた。
それまでアジアにはうとくて、ベトナムのことなど何も知らなかったけど、行きの飛行機の中で初めて開いたガイドブックにあった一枚の
少数民族の写真に惹かれた。彼らに会いたい!その一心で
ゴールがホーチミンだろうが、サパへ行こうと思ったのだ。
とまあ、そんな感じで旅の取材が始まり、気づけばギュウギュウ詰めボロボロの座席で隣に座ったおばさんからおまんじゅうをもらって食べてるわ、中国国境、ラオス国境、道中、寄り道だらけ、買い食い、もらい食いしまくり
ベトナム縦断、ガイドブックに書かれない街に寄り道しながら、最後はヒッチハイクでホーチミンに到着!数時間後に関西空港行きの飛行機に飛び乗りました。
帰国後、「ま、まさか…
こんなたくさんの街に寄ってくるとは……」と自分でも驚いたほど。南国気質で、時刻表は一応あるけど、ないという時代。印刷された時刻表やパンフレットなんてものは当然ない。だけど、立ち寄った駅という駅で、張り紙をみつけてわずかな停車時間で書き写した時刻表がノートに暗号のようにビッチリ!ひしめく数字たち。
仕事を振ってくれた編集長は知らなかったようで、この企画は女の子に過酷な鉄道の旅をさせようと狙っていた(多分)のかもしれません。しかし、もともと鉄道好き
中学、高校時代は、青春18切符を使って宿代のかからぬよう時刻表の厚いページをめくり、うまく列車泊できるよう計算して関西方面へ1泊3日とかで出かけていました。だから、つい横道にそれた路線でも電車という電車に乗ってみたくなるのです。
10日間でホテルというものに泊まったのは何日あったか?お風呂?シャワー?とんでもございません(笑)。
お陰でベトナムの街という街の特徴や位置関係を把握でき、現在の仕事に活きて
います
素敵なキャリア女性に囲まれてのお食事会なのに、なぜか、私はそんなおばかな昔の旅ネタを披露。話しながら気づいたけど、もしかしたら、こうした旅の話がネタになる最後の時代だったんだなあ〜と。現地在住の友人によると、数年前に外国人料金という制度も撤廃され、ベトナムの鉄道事情はかなり快適になっているということだ。ベトナムには、まだスターバックスはないようだが、近代化と共にどの街も均一化して、こうした珍道中にも遭遇しにくくなっている。
そんなことを考えつつ、みなさんの話に順にうなづき、笑いころげ、唸る!
みなさん、頭がよく、社会経験も豊富で、世界が広いから話題もつきず、勉強になるし、出てくる食事もすべて美味しいし、最初から最後まで、腹筋がピクピクしていました
宴もたけなわ、デザートと締めのベトナムコーヒー
が登場すると空気は一変
ど、どうして?
に、に、日本では……
美味しかった料理の思い出が吹っ飛ぶ
くらい、
なんていうか……
まるで、お土産に買ったアオザイのような……。
向こうでは似合ってた気がしたんだけど、日本で着ると
な味でした!