昨年夏から中国語で日本を紹介するフリーペーパーの制作
を行っています。
『LIVE! TOKYO』という雑誌で、上海地区を中心に中国全土で配布しているのですが、その中で「日本で活躍する中国人」に焦点をあてたインタビューがあり、
蒼国来という力士の連載をしています。
荒汐部屋に所属し、今はまだ幕下ですが、これからが期待される力士
の一人です。
彼と何度かインタビューを通じて話す中で、いつも
「家族への思いやり」と
「底辺にある闘志」を感じます。相撲の稽古は厳しく、入門しても逃げ出してしまう子もたくさんいうそうです。しかし、
「逃げる?そんなこと絶対にできませんし考えたこともありません。相撲でがんばるために国を出て来たのに、途中で逃げ帰るなんて……強くなること以外は他に何も考えていません」
国境を越えて入門したからには、
強くならなければ帰れないという相当の覚悟があるのです。
今や飛行機といった交通機関も発達し、日本各地だけではなく、世界もグンと近くなっています。
多分、ひと昔前の日本でも、たとえば、
東京に出て来る!ということは相当な覚悟あってのことで、この辺の便利さが精神力との代償になっているような気がします。
今、中国というとあまりよくない印象を受ける情報が多いなかで、私はこの仕事を通じて彼らと話すことで、家族のあり方や日本人の心みたいなものを考えさせられるいい機会を与えてもらっていると思っています。
同じ雑誌の別の取材で芥川賞に外国人で初めて最終選考に残った作家、ヤン・イーさんの話も聞きましたが、そこでも似たような話がありましたが、またそれは改めて。
追記:いつもはまだ布団の中にいるような時間から朝稽古を見学して、ちゃんこ鍋とともに一升瓶
を傾け、午後2時……既にヘベレケ
です。